目次
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算表とは実際のお金の動きになります。
実際のお金の動きを見る事が出来れば、その会社が何に本気でお金を注ぎ込んでいるのか?
経営状態は本当に安定しているのか?
など全てわかる様になります。
このスキルは株式投資はもちろん、起業や個人事業主でも実際にお金の動きを見る物なので非常に重要なスキルになります。
キャッシュフローの考え方
マネーフォアードのキャッシュフロー計算書はどちらか?
上記表でマネーフォアードのキャッシュフロー計算書はどちらか、考えてもわからないと思います。
マネーフォアードとは家計簿アプリの会社で有名な会社だが、ここの記事を読む事でマネーフォアードのキャッシュフロー計算書がどちらかわかってしまいます。
ソフトバンクのキャッシュフロー計算書
IRを見るとキャッシュフローが載っていて、細かく文字と数字が書いてあって何が何だか分からないかと思います。
しかし書いてあるのは大きく分けて3種類になります。
①営業活動(本業の営業活動での現金増減)
②投資活動(投資での現金増減)
③財務活動(資金調達と返済での現金増減)
になります。
このIRでのキャッシュフロー計算書を右の図の様にする事で、凄く分かりやすくなります。
なのでIRを見た時に細かい数字は考えないで、3種類の合計を入れていきましょう。
ソフトバンクの分析
期首現金が2.5兆円。営業活動(携帯通信)1.5兆円。
営業活動が期首現金よりも下がっていない為、本業が非常に順調だと言えます。
逆に営業活動が下に行っている場合は、本業が赤字。
そして期首現金+営業活動を上回って投資活動をしている為、ソフトバンクは通信会社ではなく投資会社と考えて良いでしょう。
そして実際の投資活動で現金がなくなっている為、財務活動で2.3兆円の資金調達し、その結果2.2兆円が残っている事になります。
この様にキャッシュフロー計算書は大きく分けて
「営業活動」
「投資活動」
「財務活動」
の3つに分かれる事をしっかりと頭に入れておきましょう。
営業活動キャッシュフロー
営業活動キャッシュフローは商品の販売で手にした現金。
材料を仕入れるために支払った現金。
広告宣伝費や販管費支払いで流出した現金。
税金支払、保険受け取り。
この様な物を全てひっくるめて物が営業活動キャッシュフローになります。
これがプラスであれば投資の財源として使えるし、マイナスであれば投資で使っていたお金を回したり、銀行から借入て補う事になります。マイナスが続くと会社にお金がなくなる為、事業基盤の改善が必要となる。
営業活動キャッシュフローは3つの中で1番重要で、そもそも本業で儲かっていなければ話になりません。
投資活動キャッシュフロー
投資活動キャッシュフローは企業の投資活動によって会社に流入、流出した現金の動きを示しています。
投資活動ではマイナスになっていると悪いと考えがちだが、決してそうではなく投資によって事業を拡大していると言えるのです。なのでマイナスの方が理想的でしょう。
逆にプラスになっていたら、例えば工場の売却や子会社売却等でプラスになります。売却してプラスになっていると良い場合もあるが、ほとんどが悪い状況と考えて良いでしょう。
このキャッシュフローで投資活動によって会社がどの様にお金を使っているかがわかる為、その企業が何に興味があって、どの様な経営方針があるのかが分かります。
投資の財源は銀行から借入たのか?
投資家から借入たのか?
営業活動で儲かったお金を回しているのか?
の投資の財源のチェックも出来ます。
そしてどのくらい投資しているのかをチェックする事で、企業の投資による本気度が分かります。
この様に投資活動キャッシュフローを見る事で、企業の色々な情報を把握出来るのです。
財務活動キャッシュフロー
財務活動キャッシフローは資金調達と返済による現金の動きを示しています。
資金調達をすればプラスで、返済をしたらマイナス。
なので企業が上場して資金調達をすると、ここの区分が大きくプラスになる事があります。
また債券を大量に発酵すると、一時はプラスになるが後々借金が膨らむ事もよくある事です。
とにかく財務活動は資金調達をすればプラスで、返済をしたらマイナスとシンプルに覚えておきましょう。
3つのキャッシュフローおさらい
ここまで3つのキャッシュフローを解説してきましたが、おさらいをするのでシンプルに考えましょう。
まず営業活動はプラスの方が良い。
投資活動がプラスだと事業の縮小や資金が必要な状態な状態で、マイナスであれば設備や株に投資して事業の拡大をしている為、マイナスが望ましい。財務活動はプラスであれば資金の調達で、マイナスであれば返済していると言う事が把握出来る。
キャッシュフローでのパターン
色々な企業のキャッシュフローを見ると、様々な動きをしていて分からないかと思うが、大きく分けて8パターンになります。
8パターンを頭に入れて、合計値を3つの数字に落とし込むだけで企業がどの様な方向性なのかが一瞬で分かります。
最初は覚える必要はないが、色々な企業のキャッシュフローを見て8パターンに当てはめて、徐々に覚えていきましょう。
健康経営
本業で儲かって調達した資金で投資や借入返済を行っている状態です。
基本に忠実に企業の目指すべき一つの姿と言えるでしょう。
攻め型
本業で儲かって儲かった以上に投資をし、足りない分を借入している状態です。
この状態は事業拡大フェーズとなります。
治療型
本業と設備売却で資金を調達し返済に当てている状態です。
事業を見直し縮小しようとしている企業になります。
衰退型
本業で資金が流出していて、設備を売却し返済を進めている状態です。
この状態は事業が衰退している企業になります。
勝負型
本業で資金が流出しているが借入によって投資を行っている状態です。
この状態は資金繰りが厳しい企業になります。
東芝の財務諸表
本業で資金が流出している為、主力事業を売却しまくって資金を賄っている状態になります。
マネーフォアード
どちらかがマネーフォワードのキャッシュフロー計算表になるが、左は営業活動が赤字だが更に投資を行っている状態です。
右側は営業活動が黒字で更に投資活動を行っている状態になります。
マネーフォワードとは
まずマネーフォワードをイメージして見ましょう。
「なんかCMで観たことある気がする」
「アプリを使った事がある」
など何でも良いのでイメージしてみましょう。
マネーフォワードとはSaaS(software as a Service)の会社で、クラウド会計、クラウド請求書、クラウド経費などを利用期間に応じて利用を取るビジネスを行っています。
一昔前はエクセルやパワポも買い切りのパッケージ型になっていたが、現在では1万円でいつでも最新を1年間使える権利を販売しています。
この様な継続的に課金をさせ売上を上げるビジネスモデルがSaaSになります。因みにマネーフォワードは赤字で上場した事で有名な企業です。
この様な情報からマネーフォワードはIT企業でSaaSモデルだから
「IT企業なら固定資産の投資は少ないのではないか?」
「SaaSモデルは長期的なビジネスモデルだから、短期的には赤字になりやすいのではないか?」
と言うイメージをして欲しいです。
この様な考察から左側がマネーフォワードなのではないか?
と予想つきませんか?
因みに右側は武田製薬工業のキャッシュフロー計算表になります。
まとめ
8つのモデルを覚える
3つのキャッシュフローで6項目を覚える
計算書をグラフに当てはめる
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